失敗しない墓じまいレポート Vol.7

〇墓じまい 遺骨改葬先の種類と特徴

さてここからは、墓じまいにおいて欠かせない、改葬先について解説します。
お引越しをするのに引っ越し先が決まっていなければ大変なことになりますので、
墓じまいをお考えの場合にはまずここを抑える必要があります。
ただしここでご紹介するのは、大枠のカテゴリーです。実際には寺院や霊園によって内容は多岐にわたります。
費用も環境も様々ですので、あくまで参考までに見てみてください。

・合祀墓
合同墓、永代供養墓 といった類義の呼び方があります。提供している寺院や霊園によってオリジナルな呼び名をつけている場合もあります。その内容はおおむね以下のパターンが多いです。
・遺骨は合同埋葬(骨壺のままではなく、土に還す)
・埋葬後に遺骨の取り出しはできない
・埋葬後の管理は任せられる
・管理費はかからない
ほかの選択肢に比べて、費用的にいちばん安価なパターンが多いです。そのかわりに他の方々の遺骨と混ざることとなりますし、取り出すこともできません。 最終最後の行き先として選ばれることが多いものとなります。

・納骨堂
先述の合祀墓は遺骨を骨壺から出して埋葬するのに対し、
こちらは個々の骨壺をそのままに安置する方式となります。
・遺骨は骨壺のままで安置
・個別の部屋がある場合と、相部屋のような形で仕切りがない場合がある
・屋内型納骨堂と、屋外の墓石タイプ(こちらは厳密には納骨堂ではない)がある
・個々にお参りする設備が完備されている場合と、お参り場所はあくまで集合供養塔の前でとなる場合がある
・管理費はかかるものが多い (〇〇年契約などで、それを満了すると合祀になる場合が多い)

・樹木葬
その名の通り、シンボルツリーとしての樹木のふもとへ遺骨を埋葬する方法です。もともとは、埋葬した場所に植樹をする例もあるようですが、現在商品化されているものはほぼ、一つの木に対して予め埋葬枠が決まっているか合同埋葬のものが多いです。また樹木だけでなく低木のガーデニングのような環境でも樹木葬というくくりになることがあり、区画の中で個別埋葬あるいは合同埋葬の方法がとられているものとなります。
・提供している霊園により、内容が多岐にわたる
・管理費は更新制よりも、管理規定年数満了後は合祀、永代供養となるパターンが多い
・樹木はあくまでシンボルツリーで、埋葬場所は樹木から区切られた区画となっている場合と、その樹木の土壌に実際に直接埋葬される場合がある。
墓石に対して樹木葬は、必然的にその樹木の生長による環境変化が生じます。ある程度の将来像をイメージした上で、納得されて選ばれることが大切です。

・散骨
遺骨をパウダー化し、海洋や土地へ“撒く”方法です。(果ては宇宙葬まで存在します)
法的に未整備なことが多く、利用には内容の確認と納得が必須となります。
・管理費はかからないものが多い
・一か所への埋葬 ではなく、撒かれて自然へ同化する方式のため、個々に墓碑となるものがない
遺骨を特定の場所に埋葬しそこに墓碑があるという形態でなく、遺骨は速やかに自然へと溶け合い、そこの自然そのものが墓碑となる埋葬方法です(厳密には埋葬というくくりではない)。当然どこでやってもよいわけではなく、専門の業者に依頼ししっかりと説明を受けることが大切です。。

・よせ墓(まとめ墓)
こちらは永代供養として他者に祭祀を継承する方法ではありませんが参考までに。
墓の継承者がいなくて無縁の墓が生まれてしまうなどの場合に、永代供養で遺骨を他者に預けるのではなく、
あくまで親族でそれを継承する方法も存在します。
具体的なプロセスとしては
・それぞれの遺骨に対し、“お墓の継承者(跡取り)”を確認する
・これからの“お墓の継承者”を定める
・それぞれの墓石を整理撤去し、ひとつの代表墓にまとめる(それぞれの遺骨はそこで埋葬供養される)
役割を終えた墓石は、撤去処分する場合もあれば、仏石のみを代表墓のそばに並べておく場合もあります。代表墓については、既存の墓石をそのまま利用することもあれば、これを機会に建て替えを行う場合もあります。(既存の墓石ですと文字彫刻がこれからの代表墓にそぐわない場合が多い)
この方法を採る場合には、家系図の確認と整理が望まれます。そうすることでメリットを最大化することにもつながりますので、ご相談なさりたい方はお気軽にお声がけくださいね。